12月(師走)の養生法 ~健康に過ごすために
二十四節気
《二十四節気》 ~ 大雪(7日)~ 冬至(21日)~
・大雪:寒い地方では大粒の雪が降りはじめ、本格的な冬の訪れとなる頃。
・冬至:1年でもっとも昼が短く、夜が長くなる日。
朝晩の冷え込みが厳しくなり、日中の空気も冷たさが増し、いよいよ冬が来た!と感じる頃です。
東京でもコートやダウンジャケットを着る人が増えてきて、気温も1、2月に向けてグングン下がっていきます。
まだ体が寒さに慣れていないので、特に朝晩はしっかりと保温しないと風邪やギックリ腰の原因となります。首の後ろや下腹部、仙骨部(おしりの上)をしっかり温めて過ごしましょう。
また12月は忘年会のシーズンです。暴飲暴食による胃腸の疲れ、寝不足、年末年始休暇に向けての仕事による疲労……と、何かにつけて免疫力が下がることばかりです。
この時期は、いつも以上に意識して身体を労わることが肝要となります。疲れて免疫が下がると、ウィルスや菌による感染症にもかかりやすくなってしまいます。
東洋思想の考え
東洋思想では、冬-腎-耳-髪-骨-寒-鹹(塩辛)-驚-黒……と関係が深いと言われます。
腎は根本的な生命エネルギー、いわゆる原(元)気を指します。
寒さや疲労を上手にコントロールすることで、やる気や若さが維持されます。
特に、クリスマスを含め年末年始は気を付けたいものです。
食養生
食事では冬野菜がズラッと並ぶ季節ですので、身も心も温まる鍋が一番のおススメです。
水炊き、味噌、キムチ、豆乳……工夫次第で何種類もスープができますので、冬は鍋を楽しみましょう。
冬の五味は「塩」ですので、本物の味噌を使った味噌鍋がベストではないでしょうか。塩麹も良いですね。ご飯でも麺でもうどんでも、最後のシメが楽しみです。
沸騰させると味噌の酵母菌も死んでしまいますので、味噌の栄養を摂りたい方は生で野菜などにつけて食べるのがお勧めです。
果物では何といってもリンゴとミカンです。両者とも風邪対策、免疫アップとしても申し分ない栄養価を誇りますので、1日1個どちらかを食べるようにしましょう。
品種改良された甘いものではなく、甘酸っぱいくらいのものがベターです。
魚介も豊富になる季節です。
あんこう、キンメ、サバ、タラ、フグ、カニにエビ……北海道に行きたくなります。
迷った場合は、その日のおススメを素直に鮮魚コーナーで聞きましょう!
冬至の意味
22日は冬至です。
昔から冬至にはカボチャを食べて柚子湯に浸かる習慣がありますが…少し調べてみました。
もともと、冬至は1年で最も昼間が短い日で、以後は昼間が少しづつ長くなり、運が上昇し始めるという意味合いから、「一陽来復」の御目出度い日とされていました。
そこで、この日に「冬至七種(ななくさ)」を食べると幸運が得られる、という縁起かつぎが昔からあったようです。
冬至七種は、「運盛り」と言う縁起担ぎで選んでいます。運盛りとは、「ん」が2つ付く言葉のことで、このような言葉遊びを昔の人は好んでいました。
冬至七種
・南瓜(なんきん)=かぼちゃ
・人参(にんじん)
・蓮根(れんこん)
・銀杏(ぎんなん)
・金柑(きんかん)
・寒天(かんてん)
・饂飩(うんどん)=うどん
カボチャは夏野菜ですが長期保存できます。秋から冬にかけてのほうが美味しいと言われるくらいで、体を温める食材でもあります。
そこで、長期保存=「長生きする」という縁起が良い意味で選ばれたのでしょう。また語呂だけではなく、カボチャには免疫力を高めるカロテンやビタミン類が豊富ですので、「風邪を引かなくなる」というのは、あながち間違いではありません。
また、冬至に柚子湯に入るという風習は江戸時代にできました。
「冬至(とうじ)」=「湯治」
「柚子(ゆず)」=「融通が利く」 という語呂からできたようです。
冬至に体を清める「禊(みそぎ)」としての風習と言われています。また、柚子は香りが強く、邪気を払うという意味もあったようです。
冬の予防
寒くなると外に出るのが億劫になり、普段の運動不足に拍車がかかります。
しかし屋外で無理に運動して汗をかくと、身体が冷えてしまい逆効果となることがありますので、家やスポーツジムで筋肉を動かして、上手に身体の中から熱を作りましょう。
日照時間が短くなりますが、晴れた日は太陽の日差しを浴びてください。適度な日光浴は自然がくれた最高の免疫アップ法です。
自律神経やホルモンの調整、睡眠や骨の形成など、身体にとってプラスになることが手軽にできます!
冷えは万病の元、暖房の使用や化繊の重ね着だけではなく、しっかりと体の中から温めて、寒さに負けない身体作りをして、新年を迎えましょう!