昔の食事のススメ

病気になるのは人間だけ!?

 

「食べ物について知らない人が、どうして人の病気について理解できようか」

「人は自然から遠ざかるほど、病気に近づく」

 

西洋医学の父と言われるヒポクラテスの言葉です。

 

 

野生動物や先住民族は慢性病にならないと言われています。それは自然に逆らわずに、自然と調和して生活しているからです。

死ぬ時は、老衰かケガ、他者が運んできた疫病のいずれかだとされています。

 

世の中が便利になるにつれて、新しい病気もまた現れます。

現代医学の研究が進むことで作った薬で病を抑え込むことによって、人間やペットの寿命は延びました。

しかし病人は一向に減らず、いまや健康寿命は平均寿命よりも10年短いと言われています。

 

食に対する考え

 

東洋医学では【三里四方のものを食すれば病せず】と言われます。

また、身体をめぐっている「氣」が充実していれば、病にならないと考えています。

 

日本では明治時代に「身土不二(しんどふじ)」と「一物全体」という考えに基づいた食養が大事だとされました。

 

 

「身土不二」とは、身と土は切り離せないという考えで、その土地の季節季節で採れた旬のものを食べるということです。

自分が暮らしている土地の旬のものは、生命があふれている生き生きとした食べ物です。それらをいただくことで、身体に良い「氣」がみなぎっていきます。

 

「一物全体」とは、魚は頭から尻尾まで食べる、人参などは葉や皮も食べる、お米はそのまま玄米で食べる、など一つの食品を丸ごといただく、という意味です。

食べれるものは何でも食べることで、その食べ物の栄養(=氣)をすべて摂ることができ、それが自分の気を充実することにつながります。

 

 

これらが自然の摂理に適っている食べ方であり、病気を遠ざけてくれる食生活なのです。

 

現代の食

 

しかし、現代の都心部の食生活はどうでしょうか。

 

ハウス栽培や水耕栽培で季節に関係なく野菜や果物が手に入るようになりました。

陸上の生き物は天の気(太陽)と地の気(大地)をもらって成長し、気が充実した身体になります。

ただでさえ品種改良が進み、昔に比べ食品の栄養分が落ちているのに加え、「気」も入っていないとすると……

 

気候の違う海外からの輸入品、精製されてしまった穀物類、添加物だらけの加工品、発酵していない発酵食品、農薬まみれの農産物、キンキンに冷えた氷菓子、それらを必死に宣伝するメディア・・・

 

 

便利さや時短、見かけの美味しさを追求する代わりに、ガンや糖尿病などの現代病は増加する一方です。

 

これから重要なこと

 

昔は米、漬物、魚、みそ汁だけでも1日中畑仕事や漁をできていました。粗食で体を動かすことが、健康の秘訣だったのです。

 

 

江戸時代に白米が流行り、ビタミン不足で脚気が流行ったのは有名な話です。

果物などもそうですが、皮に栄養が一番あることも多いです。お米も玄米のまま食した方が、お米本来のビタミンやミネラル分を摂取できます。

 

昔は玄米を夜に水に浸けて朝炊いていました。実はこれも理にかなっています。

玄米などの種子類には外敵から守るための種子毒があります。それを長時間水に浸けることで発芽状態にし、その毒を消していたのです。(今はこの機能がついた炊飯器がありますが…)

 

 

この毒性は発酵させることでもなくすことができます。お味噌や醤油、納豆にも大豆や米、麦を使用しますからね。昔は科学的な根拠なしに自然とこのように食していたことに驚く限りです。

 

日常の飽食を見直し、おばあちゃんの知恵袋を活用した食生活に変え、「気」の充実した健康体を目指してはいかがでしょうか。

 

身体が喜ぶ生命豊かなものを食べることが心がけましょう!