1日1食のススメ
「一日一食は聖者の食事。一日二食は人間の食事。一日三食は畜生の食事。」
南伝(上座部)仏教の出家者はブッダの規則に従い1日1食で生活しています。庶民は肉体労働をしているので朝晩2回食べます。中世(日本の江戸時代まで)までは、世界でも1日2食が普通でした。
「畜生」とは飼育動物のことで、仏教では「五欲の味に溺れる生き物」の代名詞とされています。だから上の諺は、1日3食の人を「味に耽溺した畜生」だと言っているとされています。
病気の原因
Ⅱ型糖尿病、痛風、粥状動脈硬化、高コレステロール血症、がん……
現代病のほとんどの原因は「過食=栄養過多」にあると言えます。
人類はその歴史を長い目で見ると、つい最近まではずっと飢餓との戦いでした。
しかし、ここ何十年かで先進国はあっという間に飽食の時代となり、1日3食、お腹いっぱい美味しいものを食べることが当たり前になってきました。
人類含め動物は、元々飢餓に対しては耐性ができていますが、過食(栄養過多)に対しては身体が対応できていません。
ウィルスなど外部からの侵入者に対して、血液中の白血球が防御して戦ってくれていますが、栄養過多になると、たんぱく質などを処理するために白血球が多忙となり、肝心なウィルスなどの敵を倒す余裕がなくなってしまい、免疫力が落ちます。
動物は空腹状態のほうが、身体の危機管理能力が上がり、病気になりづらくなるのです。
三食は食べ過ぎ?
世界はもちろん、日本でも明治時代以前は1日2食が普通でした。しかも玄米菜食が中心で、お肉なんて食べてなくてもその体力は凄く、外国人が日本の飛脚を見て度肝も抜かれていたくらいです。
戦国時代においては、おにぎりと塩だけ持って、重い装備と槍を担いで何十キロも舗装されていない道を走った後に戦っていたのです。
我々の祖先の体力は凄く、寿命は短かったですが、とても健康だったのです。
ところが、現代の生活では運動もほとんどせず、1日座ってパソコンで仕事をしているのに食事はしっかり1日3回……これでは食べ過ぎですし、白血球も胃腸も大忙しで疲れ果ててしまいます…
健康な一般成人であれば、朝食抜きの1日2食で十分です。(子供は遊びまわるので3食が好ましいです。)
また、現代の日本人は白いご飯やパン、麺類にスイーツが大好きで「糖分過多」に陥っていますので、炭水化物や糖分を必要以上に摂らないように気を付けてください。
そしてよく噛んで腹8分目!これが健康な食事の基本です。「箸置き」がある意味や「腹八分目に医者いらず」という諺の意味を今一度考えましょう。
注意
・朝食は抜いても水分はしっかり取りましょう。朝はミネラル豊富な冷たくない水がベストです。
・「朝食を摂らないと頭が働かない」とよく言われますが、ブドウ糖が体内でも作られる「糖新生」という機能があるので、仕事や授業前でも心配いりません。
※ちなみに、テレビでは食品会社がスポンサーになっていることが多いため、1日1~2食が良い!とは絶対に言いませんので…あしからず。