5月(皐月)の養生法 ~健康に過ごすために
二十四節気
《二十四節気》 ~ 立夏(5日)~ 小満(20日)~
・立夏:春分と夏至の中間、旧暦では夏の始まり。「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」の時期。
・小満:草木が茂って天地に満ち始める頃。麦の収穫期にあたり、順調でひと安心(少々満足)すると言う意。
野山には美しい緑が生い茂り、風も爽やかで夏の気配が少し感じられる頃です。気持ちの良い晴れの日が多く、生命がすくすく成長する様が見られます。
5月は年間を通じてとても過ごしやすい時期です。祭日も多く、外に出て体を動かしたくなり気持ちも高揚します。
気持ちが興奮すると自律神経の交感神経が働き過ぎてしまい、炎症反応が出やすくなったり、気持ちが緩んだ時にドッと疲れが出たりしてしまいます。
また、4月の年度初めで環境の変化があった方は、ちょうどこのGWの休みあたりで一息ついて緊張の糸が切れ、体調を崩すケースが多くみられます。
また、五月病とも言われ、精神的に疲れてまいってしまう方が出るのもこの時期です。
日中はしっかりと陽を浴びて適度に体を動かすと、夜の寝つきもよくなり自律神経も安定します。
日光を浴びることで幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」が増加し精神的な安定が得られ、夜になるとビタミンB12の作用で「メラトニン」となり心地よい眠りに誘ってくれます。
しかしこの頃の紫外線は強いですので、皮膚のためには陽の浴び過ぎにも注意してください。
東洋思想の考え
立夏で春の土用が終わり、東洋思想的にはいよいよ夏へ突入します。
東洋思想では、夏-心-熱-南-舌-顔面-夢-喜-苦-赤……と関係が深いと言われます。
日差しが強くなり、暑くなってきたからと言って喜び過ぎず、ワクワク感を抑えて心を落ち着かせましょう、と先人達は言っています。
食養生
夏の五味は「苦味」です。そこに肺の「辛味」を加えると尚良いです。
この時期は山菜のフキが苦味の旬の代表格です。日本特産で葉はシップ代わりに用いられていました。
子供の日の柏餅にも使われるヨモギも不思議な野草で苦味です。
お灸で使用する「もぐさ」は、蓬の葉から作られています。通年採取でき雑草扱いですが、その多岐にわたる効用は昔から注目されています。
カロチンとビタミンCが豊富なエンドウ豆類も旬で苦味に分類されます。
5月からはニンニクも旬に入ります。ニンニクは何と言っても最強野菜。殺菌、抗ウイルス、スタミナ回復、血栓予防など身体のために欠かせない食品です。
効能成分であるアリシンは加熱で効果も薄れますので、匂いが気になりますが、すりおろしで食すのがおススメです。ちなみにニンニクの芽は緑黄色野菜となります。
長時間発酵させて作る黒ニンニクは、栄養たっぷりで匂いも消えていますのでお勧めです。
魚は何と言っても初鰹です。すりおろしたニンニクなどの薬味と一緒に食べましょう。
他にもアジ、きびなご、メバルが出回ります。
デザートは露地イチゴで決まりです。最盛期ですのでたっぷりビタミンCをいただいてください。品種改良して甘くなり過ぎたイチゴはおすすめしません。
梅雨が来る前にしっかりと体を動かして心身をリフレッシュし、夏の暑さに耐えられる身体をつくっておきましょう!