保温のススメ
ヒポクラテスの言葉
「患者に発熱するチャンスを与えよ、そうすればどんな病気でも治してみせる」
「医学の祖」と言われる、偉大なヒポクラテスの言葉です。発熱することで病気が治ることをすでに理解していることにビックリです。
発熱・保温の大事さ
癌細胞は39.6度以上で死滅すると言われます。肺炎にかかって40度以上の熱を出したら癌が消えたという話もあるくらいです。
もちろん、病院でも癌対策の温熱療法(ハイパーサーミアなど)が存在します。
風邪にかかって熱が出たときに、解熱剤など薬を使わずに治癒すると免疫力が上がると言われます。白血球など免疫細胞が外敵と戦い発熱することで、完全に外敵を駆逐し、リフレッシュした体になれるのです。
また、身体を温めるとヒートショックプロテインというたんぱく質がでることも分かっています。このたんぱく質は壊れた細胞を修復するとても有益なものです。
外国人が太平洋戦争後に日本人の強靭さを研究した結果「入浴」に秘訣があるのでは?と考えたそうです。外国には「湯に浸かる」という風習はないためです。
実際には、入浴だけではなく、戦前の食事や生活環境も関わっています。
ちなみに体温が1度下がると免疫が30%以上下がると言われています。
基礎代謝も10%以上下がるというデータがあります。
若い時よりも基礎体温が低くなっている方は要注意です。
身体を温める
身体が冷える、いわゆる「冷え性」の方は、日常生活の積み重ねの結果ですので、冷え性を治すというよりは、まずは身体を常に暖める ⇒ 冷やさない という流れで取り組んだほうが良いと思います。
現在はウェア類も安価で非常に良くなってきています。インナーを上手く活用して、放熱・蓄熱をしてください。ただし、静電気の起きやすい素材は身体に悪いですので避けましょう。放熱しないと汗が冷えますので、夏も気を付けましょう。
首周り、お臍周りから下腹部にかけて(骨盤)、足首周りをしっかりと保温してください。
東洋医学的にも冷えや風邪に関するツボが集まっているところです。
女性の腹巻は、冬はもちろんですが、夏のエアコンの効き過ぎの際にも必須アイテムとなります。
そして、日本の伝統「入浴」です。
お風呂に浸かると「ホッ」としませんか?この「ホッ」という気持ちも自律神経に良い働きをします。
入浴は体温より5度程高いお湯に10分以上浸かることを推奨します。前述したヒートショックプロテインがいっぱい出るからです。
因みにお灸でもこの蛋白質が出ます! お灸って素晴らしい!
家や会社で冷えるときは、電子レンジで温める湯たんぽや身体の芯を暖める遠赤外線ヒーターを活用してください。特に、チンする湯たんぽは費用対効果バツグンですので2つくらいは常備しておきましょう。
自分で熱を作るには「筋肉」が重要です。筋肉量を増やし、基礎代謝を上げることが、根本的に必要となります。
筋肉のほとんどは内臓のない下半身、お尻から下に集中しています。ですから、お尻や太もも、ふくらはぎを中心に鍛えるのがベストです。
階段を上る動作やつま先立ちする動作など、簡単なもので大丈夫です。とにかく毎日続けられるものを見つけましょう。回数や時間は関係ありません、少ない回数でも続けることで効果が出ます。まずは、2か月間頑張ってみましょう!
身体を冷やさない
温めることを意識できたら、次は冷やさないことです。
女性にはこれが難しいようです……ファッション、食べ物、仕事など身体を冷やす要素がいっぱいあるからです。
飲食物は、基本的に冷蔵庫で冷やしたもの、夏野菜や南国のものは身体を冷やします。
精製された白砂糖や化学物質、適量以上のお酒も身体を冷やします。
また、精神的・肉体的ストレスは、ホルモンの作用で血管を収縮させるため身体を冷やします。
フルマラソンなど過度な運動も同じです。
肩こりなどの凝りも血管が縮んだ状態ですので、冷えを呼び込みます。
コリは万病の元ですので、しっかりとほぐして血流を良くしておきましょう。
残業が続いて、ストレスが溜まり肩こりがして、イライラして甘いものを食べてお酒が旨い!そんな生活は黄色信号です……
こうして考えてみると、日常生活では身体を冷やしてしまうことが多いことに気づかされます。
身体を冷やすことは免疫力を下げることにつながるということを頭に入れ、自分や家族の健康のために、しっかりと生活習慣を見直しましょう!