逆子
鍼灸院 で意外に需要が多いのが「逆子」です。
産婦人科の検診で逆子と言われ、妊娠30週くらいを超えると、「お灸もいいかもよ~」と言って勧められて来院される方が多いのが現状です。
しかし! どうせ勧めてくれるなら、もっと早く言ってあげて欲しい・・・なぜなら、逆子は30週未満であれば、1~2回の施灸で治る確率が高いからです。
東洋医学に頼りたくない気持ちは解るのですが、妊婦さんのためにも……という気持ちです。
私の治療成功最高週数は、37週! しかし、努力実らず返らなかったこともあります…(-_-;)
妊婦さんの体格や出産回数にもよりますが、経験的に32週を超えるとキツくなってきます。もちろん、赤ちゃんが大きくなり動くスペースがなくなってくるという物理的な面もあります。
逆子の治療
逆子の原因
東洋医学的には「冷え」と言われます。
良く「頭寒足熱」が良いと言われますが、下半身が冷えて気が逆に行ってしまっていると、胎児が出口を勘違いして上に行ってしまうとされます。
ですから、結構キツめにお灸をしても、最初のうちは熱さを感じない方もいらっしゃいます。芯が冷えて、ツボの反応が悪くなっている証拠です。
治りやすい条件
◆初産ではない
◆お母さん(母体)の体格が大きい
◆張りなどなく、逆子体操ができる余裕がある
などと言われます。
また、悲観的にならない性格も大事かもしれません。
逆子の治療
一般的には、動けるようであれば逆子体操を行ないます。
胎児の位置によって、母体の就寝時の寝方も指導されます。
これに、鍼灸治療を併せて行います。
そしてベビータッチを頻繁にして、赤ちゃんへ声掛けをしてもらいます。
治療例
ここでは治らなかった、もしくは治るまでに苦労した例を敢えてご紹介したいと思います。
ケース 1 最後まで
中肉中背の女性、初産。無痛分娩希望。
32週で来院。病院では逆子体操をすすめられている。
通常通り、脈診による経絡治療と「至陰」穴への施灸で様子見。
熱さをあまり感じないので、身体の芯の冷えはある模様。
週に1回の来院(ホントはもっと来て欲しいところでした)。
三陰交も増やして施灸。
35週時にかねてからの予定通り、通院している産科で外回転術をうけるも、痛いだけで返らず…。しかも麻酔なしで!
げっそりして再び来院。壮数を増やして施灸も…返らず…。
37週で計画分娩、帝王切開へ。無痛希望なのに・・・。
その後、元気な赤ちゃんの写真がメールで送られてきましたが、産婦人科でも、お腹を開けてみても原因が分からなかった、とのこと。
よっぽど赤ちゃんが逆の位置が居心地良かったのでしょうか…。
ケース 2 何とか・・・
やや小柄な女性、初産。28週で来院。
問題は、最初からず~っと逆子ということ。
う~ん、怖い! 表情には出しませんが・・・。
本人はさほど気にしてもない様子。
経絡治療と至陰のお灸から開始。
元々冷え症で、末端は常に冷たいとのこと。
28、29週と1回ずつ。
30週からは週2回の施術。
8回目位の時には「冷え症が治ってきました」というコメント。
ある意味、それも凄いことなのですが…。しかしまだ返らず。
ところが、そろそろ帝王切開の日程を決める頃の34週目の検診後に、「かえってました!」との連絡が!
何はともあれ、よかった!!
※ちなみに、最初から逆子で32周で初来院という方もいらっしゃいました。その方は3回の治療で34周で難なく返り、私も少しビックリ!でした。
ケース 3 2回も!
やや小柄、2回目の出産。初産時は特に問題なし。
28週で逆子と言われ30週で来院。
切迫になりかけたので、逆子体操をするとお腹が張るとのこと。
少し自宅が遠いので、ツボにマークして自宅でも施灸をしてもらうことに。
治療院で3回施灸した後の検診で、無事返ったとのこと・・・
しかし!次の検診でまたもや逆子に!! この時点で33週。
逆子になったいうことはまだ動くスペースがある、ということを信じてひたすら施灸。
そして、また3回施灸した後の検診で「治った!」との報告が。
この検診が36週でした。
2人目の36週での「返り」でした。
逆子治療では、とにかくお灸に来る回数が必要ですので、当院では全身治療は初回くらいだけで、後はひたすら施灸をします。金額を安く抑えて回数を通っていただいたほうが効果があるからです。
赤ちゃんを信じて声掛けをして、最後の最後まで諦めずに頑張りましょう!!