我が子に牛乳を飲ませていない理由

 

そもそも…

なぜ牛の乳を飲むの? 人間なのに…

 

 

なぜ給食に牛乳を出すの? ご飯にはお茶や麦茶では…

 

 

なぜ牛乳が飲まれるようになったのか?

 

人類が動物のミルクを摂取していた最古の証拠は9000年近く前のトルコだとされています。ヒツジやヤギの群れを中心とした生活を送っていた古代の遊牧民にとって、動物のミルクは重要な食料だったと考えられています。

 

日本で一般的に牛乳が知られるようになったのは明治時代だと言われいています。1863 年に前田留吉という人が、横浜で日本初の牛乳の製造販売を始めました。そして日清、日露戦争の時に傷病兵の栄養剤として牛乳を飲ませたことが広まり、人々に認知されていきました。

 

また、給食に牛乳が出されるようになったのは1946年で、戦後間もないころの脱脂粉乳だとされています。当時の脱脂粉乳はバター等の乳製品を作った残りかすで、「家畜の餌」として扱われていました。これをアメリカ(民間)が食糧不足に陥っている日本人に救援物資という形で提供しました。

 

 

給食ではこの脱脂粉乳と同時にアメリカ小麦のパンも出され始めます。アメリカには自国で余った小麦と脱脂粉乳を処分するということと、将来にわたって小麦と牛乳製品を日本に買わせるという戦略があることは言うまでもありませんでした。

 

 

牛乳を買わせるためには「牛乳が身体に良い!」と広めなければなりません。そこで「牛乳は完全栄養食だから健康によい」というプロパガンダを行い、学校給食に取り入れ、保健師を始め人々を洗脳していったのです。

 

ここに当然のように牛乳利権が発生します。その良い例が「母子手帳」と「給食」でした。昭和20年代のGHQ占領期間中、保健所に勤めることのできた栄養士の条件は乳業の専従栄養士であることでした。

 

昭和23年には「母子手帳」をアメリカの乳業メーカーに作らせ、 そのカバーには森永乳業や明治乳業などの乳業メーカーの粉ミルクの広告が載っていたのです。

 

 

日本人の多くが乳糖不耐症

 

根本的に、日本人を含むアジア人は、離乳期を過ぎると乳糖分解酵素であるラクターゼの働きが低下する体質を持っている人が多く、成人の7割以上がラクターゼを分解できない乳糖不耐症と言われています。

 

乳糖不耐症の人は、高濃度の乳糖が腸管内に貯留し水分を引き寄せることで下痢になったり、吸収されない乳糖が大腸で発酵し腹部膨満になったりしてしまいます。

 

牛乳の栄養

 

牛乳がカルシウムやたんぱく質、ビタミンB群が豊富で栄養価が高いと言う宣伝文句を信じて飲み続けている方も多いと思います。

 

タンパク質

 

牛乳のタンパク質の大部分を占める「カゼイン」は、母乳に含まれるカゼインとは種類が異なり、腸管の炎症を引き起こしやすく(リーキーガット症候群)、腸壁を突き抜けて血液の中に入ってしまうことで、慢性的なアレルギーの原因になりやすいと言われています。

 

 

また、カゼインが消化される過程でカゾモルフィンというペプチド(アミノ酸が結合したもの)が生成されます。これはオピオイド(麻薬様)作用を持つ物質で、血液脳関門を通過して脳に入り、聴覚や言語を司る側頭葉のオピオイド受容体と結合することにより、精神症状や神経障害を誘発すると言われています。特に自閉症、ADHDなどの精神疾患を引き起こすケースが報告されています。

 

カゼインは、胃液と反応して粘着力の強いタンパク質になります。これにより特に鉄の吸収が阻害され、鉄欠乏性貧血の原因となります。

 

カルシウム

 

牛乳100mlには約100㎎のカルシウムが含まれているので骨を強くする、というのが牛乳の宣伝文句です。

 

骨は硬い組織に見えますが、その中には骨を作る骨芽細胞と骨を壊す破骨細胞とリンパ球などの免疫細胞が存在しています。古くなった骨を破壊して新しい骨が形成されるという新陳代謝を繰り返し、丈夫な骨が維持されています。この破壊と形成と言う2つのバランスが保たれることで骨の量は一定に保たれていますが、加齢や病気などの要因でこのバランスが崩れると骨粗しょう症などの疾患に陥ってしまいます。

 

 

そしてこの新陳代謝に必要不可欠な代表的な栄養素が、カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、マグネシウムです。

 

カルシウム摂取⇒ビタミンDの働きで小腸で吸収⇒ビタミンKが骨に沈着させて骨の形成を促す、そして副甲状腺ホルモンであるパラソルモンと甲状腺ホルモンのカルシトニンがお互いにバランスよく働くことで、骨の代謝が行なわれ、通常120日かけて入れ替わると言われています。

 

また、マグネシウムはカルシウム同様、骨の強化と成長に欠かせないミネラルです。600種類以上の酵素を活性化する働きがあり、筋肉の収縮や神経情報の伝達、体温・血圧の調整などに役立っている最重要ミネラルです。このマグネシウムとカルシウムがバランスよく働くことで丈夫な骨が形成されます。

 

 

そして牛乳はカルシウムが豊富ですが、マグネシウムはほとんど含まれていません。体に良いと思って毎日のように牛乳を飲んでいる方は、相対的にマグネシウム不足になります。

 

日常の食事においても、食品加工と調理によって、カルシウムよりもマグネシウムの方がより大量に失われます。ただでさえ現代人はカルシウムよりマグネシウム不足が多いと言われているので、牛乳を健康のために飲んでいるつもりがマグネシウム欠乏を亢進させる結果になっているのです。

 

 

カルシウム過剰(=マグネシウム不足)になると、筋肉の痙攣(足をつる)、線維筋痛、動脈硬化、カルシウム沈着、虫歯、腎臓結石、頻尿などの症状が出やすくなります。特に細胞内のカルシウムが過剰になると細胞が死んでしまい、脳の神経細胞が過剰に反応することにもつながります。

 

結石や大動脈の石灰化などもカルシウム過剰によって引き起こされます。余分なカルシウムが血管に沈着して硬くなってしまうのです。

 

また、安全のために加熱殺菌された牛乳のカルシウムは、不溶性のリン酸カルシウムとなってしまい、体内に吸収されなくなってしまうのです。

 

ミルク(カルシウム)パラドックス

 

牛乳に含まれているカルシウムは元々水に溶けやすい水溶性のイオン化カルシウムです。

 

たくさん牛乳を飲むことでイオン化カルシウムが血液中に溶け出し、一気に血中カルシウム濃度が上昇します。「カルシウム過剰」と判断した体(脳)は、ホメオスタシス(恒常性)の原理により、血中のカルシウム濃度を通常の1%に保とうと働き始めます。このシステムによりカルシウムを体外に排出するわけですが、その際に貯蔵されているカルシウムをも排出してしまい、結果的に骨が弱くなってしまうという現象が生じます。

 

また、前述した消化されないタンパク質「カゼイン」が、腸の中に窒素の残留物(老廃物)を増やしてしまい、これが血液を酸性に傾けてしまいます。ここでもホメオスタシスの原理により、体は血液を中和しようと働きます。血液の中和に使われるアルカリ性物質はカルシウムですので、骨からカルシウムを溶かし出して血液を中和することで、結果的に骨がもろくなってしまう現象も生じます。

 

この2つのパラドックスでよく引き合いに出されるデータがノルウェーのものです。世界で一番牛乳を飲んでいる国ですが、骨粗鬆症の発生率は日本の5倍にもなります。また、日本女性の大腿骨骨折の発症率は、欧米女性の3分の1以下となっており、牛乳の摂取量と骨折の関係では、毎日牛乳を大量に飲み、乳製品をたくさん食べる欧米の高カルシウム摂取民族は、その高齢者に骨折が多く、アジア諸国の低カルシウム摂取民族ではむしろ骨折が少ない、と研究報告されています。

 

 

牛乳で背が伸びる

 

牛乳をいっぱい飲んで背を伸ばそう!これもよく使われる宣伝文句です。

 

骨は、骨の先にある骨端線という軟骨部分が成長することで伸びていきます。成長が終わるとこの骨端線はなくなります。

 

背を高くするには、まずは成長ホルモンを出すことです。成長ホルモンは、就寝後最初のノンレム睡眠時(約90分間)に、一日に分泌される70%以上の量が放出されます。

 

 

栄養素で言うと、まずはタンパク質です。コラーゲンというタンパク質が集まって繊維となり、この繊維がカルシウムやマグネシウムなどで固められることで骨が固くなっていきます。ですから、たんぱく質・ミネラル(カルシウム・マグネシウム・亜鉛・リン)、ビタミン(D2・D3・K2・C)などをバランスよく摂ることです。

 

そして体を動かすことも大事です。良く食べて運動していっぱい寝る、子供らしくあれば背が高くなる条件は揃います。

 

戦後、日本人は男女ともに背が伸びましたが、この伸びは主に5歳までの幼児の期間に達成されたもので、その後の伸びは実はたいしたことはありません。そして日本人の平均身長の伸びは1980年以降止まっています。

 

 

牛乳の質

 

日本の酪農場の7割以上では、牛を24時間ずっと短い鎖やロープなどで拘束して飼育しています。床は固く、前にはエサ箱、後ろには糞尿用の溝があり、ほぼ動くことのできない状態で過ごし、四肢に褥瘡ができて膿んでしまっている乳牛もたくさんいます。そしてそんな状態でも毎日ひたすら搾乳されています。

 

出産しなければ牛乳を出せないので、乳牛は強制的に出産を繰り返させられます。出産した約2ヶ月後に人工授精されて次の子供を妊娠させられます。その間もずっと牛乳を搾られ続け、出産から約10ヵ月後に搾乳が終わります。そしてまた2か月後に妊娠させられ・・・というサイクルを一生繰り返しているのです。

 

 

こんなストレスフルな牛から搾乳された牛乳を飲んでいるのです。

 

日本では禁止されていますが、海外では乳牛や肉牛の成長を早めるために、ホルモン剤を使うことがあります。また、劣悪な環境下で飼育されているため病気が発生し易いので、予防のために抗生物質も使用されています。日本でも病気になると抗生物質を使用しますし、病気予防のためのワクチンはたくさん打っています。

 

 

現在日本では牛への肉骨粉使用は禁止されています(牛以外には使用できます)が、海外では牛にも使用されています。また、乳牛のエサは輸入飼料が多く、遺伝子組み換え食品の問題やエサに使う殺虫剤や消毒剤が牛の身体に蓄積されてい問題もあります。

 

ほとんどの牛乳は、脂肪の分離(浮き上がり)を防ぎ大量生産する目的で、ホモジナイズ(均質化)処理されています。ホモジナイズド牛乳は脂肪球膜成分が変性してしまい、乳脂肪のコレステロールが酸化しやすくなってしまいます。

 

粒子が小さくなるので消化が早くなり乳糖不耐症を増長させ、アレルギー症状にもつながりやすくなります。

 

結論

 

牛乳はコーヒーなどと同じで「嗜好品」と捉える。無理に飲むメリットはない。

 

「牛乳大好きなので飲みたい!」という方は、

 

・低温殺菌

・ノンホモジナイズ

・牧草(できれば有機牧草)のみを食べて育ったグラスフェッド

 

 

これらの条件を満たした牛乳をおすすめします!