日本人に多い『胃』の悩み

鍼灸って胃にも効くの?って、言われそうですが……鍼、灸、指圧は胃腸の問題に対しても、非常に有効と言えます。

 

ストレスと胃

 

一昔前は、胃痛は男性がストレスや暴飲暴食で起こるもの、とされてきましたが、最近は女性でも胃痛が増えました。また、胃の不快感(膨満感や胃もたれなど)を訴える方は非常に多くなりました。

 

ストレス性の胃痛で有名なのが、セリエ博士のストレス学説です。簡単に説明します。

人間が各種ストレス(ストレッサ―)を受けると、自律神経の交感神経が優位になりやる気を出すホルモンが分泌されます。

分泌しっぱなしでは困るので、違うホルモンを出して体は元に戻ろうとします。

このストレスが長期間に亘ってかかると、副腎皮質刺激ホルモンが分泌され続けます。

その結果、胃の壁を守るムチンという粘液の分泌が抑制されてしまい、胃が胃酸に対してノーガードとなってしまいます。

その結果、胃炎や胃潰瘍などが起きてしまいます。

 

・・・というメカニズムです(実際にはもっと複雑です)。

 

このように、基本的に「胃」の問題には「ストレス」が深く関与しています。

胃酸の分泌 > 胃壁保護成分(ムチン) ←この式になると胃が荒らされ痛みや不快感が出ます。

この胃酸の分泌が上に逆流してくるのが「逆流性食道炎」で、近年増加している疾患の1つです。

現代社会はストレス社会と言われますので、当たり前と言ったら当たり前の結果です。

 

食べ過ぎと胃

 

また、1日3食しっかり食べている方、夜遅くに食事をとる方、脂ものやお肉が好きな方、冷えた飲み物が好きな方などは胃が疲弊していますので、要注意です。

胃は食べ物の消化に5時間ほどかかると言われます。特にお肉には通常の倍以上の12時間以上費やします。

昼食も夕食もお肉を食べていると、胃が働きっぱなしとなります。最低でも寝る3時間前までに食事を終わらせ、就寝中は胃も休めるようにしましょう。

激しい胃痛は潰瘍や穿孔も考えられるますので、しっかりと消化器科を受診しましょう。

ちなみに私が十二指腸潰瘍になった時は、痛みが弱まるポジションがなく1時間くらい床を転がってました・・・

最近ではピロリ菌が胃に定着していると(特に50歳以上に多い)、胃がんの原因になると言われ、検査の結果殺菌する方もいらっしゃいます。

その反面、ピロリ菌を殺菌してしまうと、食道がんが増加すると言われています。どうしたら良いのでしょう?

殺菌するしないは皆さんの決断にお任せしますが、いずれにしても大事なのは、食生活を含めた日常生活を見直すことでです。

 

鍼灸指圧と胃

 

治療院での治療は、内科的疾患になりますので「鍼灸」の出番です。

対症療法の鍼ではなく、脈診や腹診をして根本的なものから診ていきます。

胃=脾の経絡となりますが、ストレス=肝ですので、ストレス性胃痛の場合は肝気鬱血で診ていきます。ストレス以外では、気滞・寒邪・血瘀・胃虚など東洋医学では様々なものから「胃の不快感」が出てくると考えます。

診立てた証(原因)によって、漢方の先生なら処方する薬も違ってきますし、鍼や灸では使用するツボが変わってきます。

胃痛のように内科的疾患の場合は、伝統的な鍼灸を施術する治療院を選びましょう。

 

当院の場合は、脈診からの経絡治療。肝経や胃経を中心に全身的な鍼灸をし、背部や後頚部を中心に指圧していきます。

身体の反射作用の1つに「自律神経反射」というものがあります。内臓ー体性反射とも言い、痛めて悪くしている内臓の自律神経を介して、体表部に反射作用として表れるものです。

胃の場合はちょうど背中の肋骨が終わる所、胸椎と腰椎の境目辺りに出ます。胃の裏側と思っていただいて結構です。

この辺りに反応点として表れますので、ここも治療点になります。反応点は固くなっていますので、指圧されるととても心地よく感じます。家族に押してもらうのも良いでしょう。

 

ちなみに、軽い食中毒でもお灸治療が有効ですのでお試しください!

 

胃におススメの食べ物

 

胃酸は口から入ってきた異物を酸で殺してくれる大事なものです。ですから、胃酸を抑えるより胃壁を守ることを考えてください。

ストレス以外でも、アルコールや鎮痛剤(アスピリン系)などでも胃壁を守る粘液の分泌は低下しますので気を付けましょう。

 

ムチンを含む食物、特に「ネバネバ系」もお勧めです。山芋やオクラ、納豆やモロヘイヤなどです。疲労回復効果や抗ウィルス効果もありますので最強の食品です。

 

あとは薬の名前にも用いられる「キャベツ」です。生キャベツは酵素も豊富なので、本物の味噌をつけて食べてみると、酵母菌も摂れて良いでしょう。

ネバネバも味噌キャベツもお酒が飲みたくなりますが・・・

 

◆ 日常生活での注意点 ◆

・暴飲暴食を控え、休肝日を設ける。
・お肉中心の食事や就寝前の食事をやめる。
・胃酸を抑える薬は極力飲まないようにし、ネバネバ食品を摂る。
・夜遅く食べてしまったら朝食を抜く、など胃を休める努力をする。
・長時間の前かがみ姿勢で胃を締め付けない。

 

胃腸が元気だと病気にもなりづらくなります。日々意識して生活しましょう!