子午(しご)治療
子午治療とは!?
子午治療は、2千年以上も前に中国で考案された、方位や運勢を占うための学問が治療法に応用されたもので、人体の生理現象に基づいて考えられた治療法です。
人体に流れる気は、自然界同様に、春夏秋冬・朝昼晩という時系列に影響を受けています。この経絡と時間の関係を経絡時と呼び、十二経絡は下図のようにそれぞれ時刻に当てはめられています。
更に、経絡時を午前と午後で組み合わせると6つの組ができます。この対になった経絡が互いに影響しあい、人体に影響を与えるため、この組み合わせを利用した治療法が子午治療です。
治療の活用法
時刻を当てはめているため、つらい部分に痛みが出た時間も重要ですが、実際の治療では、時刻よりも痛みのある部位の経絡に重点を置いて治療します。
痛みの出ている経絡を調べ、組み合わせてできた対になる経絡のツボを治療点として用います。その際、通常は痛みのある部位と反対側の経絡を使います。
【手の太陰肺経】 『列欠』 ー【足の太陽膀胱経】『飛陽』
【手の陽明大腸経】『偏歴』 ー【足の少陰腎経】 『大鐘』
【足の陽明胃経】 『豊隆』 ー【手の厥陰心包経】『内関』
【足の太陰脾経】 『公孫』 ー【手の少陽三焦経】『外関』
【手の少陰心経】 『通里』 ー【足の少陽胆経】 『光明』
【手の太陽小腸経】『支正』 ー【足の厥陰肝経】 『蠡溝』
治療方法
ツボは、基本的に対応する経絡の五要穴である絡穴を用います。状況により、同じく五要穴である原穴や郄穴を使用する場合もあります。
【五要穴】
原穴・郄穴・絡穴・募穴・兪穴
治療方法は、お灸だけ、細い針を浅く刺す、置鍼する、金鍼を当てる、など様々です。
主に、ギックリ腰や捻挫など急性の症状に用い、対応するツボに反応(圧痛)があればあるほど功を奏します。
ただ痛いところに刺すだけではない、東洋医学らしい鍼灸治療法の1つです。