Q1:鍼灸は何に効くの?(鍼灸適応症)
A:WHO(世界保健機構)では、下記の41疾患が適応症として認められています。
鍼灸適応症 | |
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神経系 | 神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・ 神経症・ノイローゼ・ヒステリー |
運動器系 | 関節炎・リウマチ・頚肩腕症候群・五十肩・腱鞘炎・腰痛・ 外傷の後遺症(骨折・打撲・むちうち・捻挫) |
循環器系 | 心臓神経症・動脈硬化症・高血圧・低血圧症・動悸・息切れ |
呼吸器系 | 気管支炎・喘息・風邪および予防 |
消化器系 | 胃腸病(胃炎・消化不良・胃下垂・胃酸過多・下痢・便秘)・胆嚢炎・ 肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾 |
代謝・内分秘系 | バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血 |
生殖・泌尿器系 | 膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎 |
婦人科系 | 更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え症・血の道・不妊 |
耳鼻咽喉科系 | 中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・ちくのう・ 咽喉頭炎・へんとう炎 |
眼科系 | 眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい |
小児科 | 小児神経症(夜泣き・かんむし・夜驚・消化不良・偏食・食欲不振・不眠)・ 小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善 |
鍼灸不適応とされているもの |
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法定伝染病の疑いがあるもの・急性の熱性疾患・血友病など血液の疾患 悪性腫瘍など手術や集中治療を必要とする場合 |
鍼灸治療が保険適用となる疾患 |
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1. 神経痛(頭・顔・胸・腕・手・足などの痛み) 2. 五十肩(肩関節が痛く、腕が上がらない) 3. 頸腕症候群(首・肩・腕の痛み、しびれ) 4. 腰痛症(腰が痛む、重い) 5. リウマチ(手・足などの関節が腫れて痛む) 6. 外傷性頸部捻挫後遺症(いわゆるムチウチ) |
※上記6疾患などで、慢性疼痛疾患であること。保険適用のためには、医師の同意書が必要になります。
※同じ病名で医師の診療を同時に受けることはできません。
※保険請求の詳細は院長までお尋ねください。
Q2:鍼灸の効果は?
A:西洋医学的な理論では以下のような効果が得られます。
≪鍼≫
①軽微な組織損傷による生体防御反応で、白血球やγグロブリンが増加し免疫力が上がる
②筋肉への刺鍼により毛細血管を拡げ、過緊張を緩和し血液循環をよくする(軸索反射)
③脳内からエンケファリンやエンドルフィンなどのモルヒネ様物質の分泌を促すことによる鎮痛効果
④体表面への刺激が内臓への自律神経反射を引き起こす(体性自律反射)
≪灸≫
①軽微な組織損傷による生体防御反応で、白血球やγグロブリンが増加し免疫力が上がる
②赤血球増加による増血作用、血液凝固時間短縮による止血作用、強心作用
③皮膚血流量の増加により循環が促進される
以上のような治療効果があるとされています。
東洋医学的には各種代替療法と同じで科学的な実証はできません。
しかし、人間の身体自体が科学で証明できないことだらけです。
西洋医学より歴史が長い何千年という鍼灸師の経験を生かしたノウハウが、そこにはあります。
“気”は見えませんが、みんながその言葉を使っています。電磁波だって電波だって見えません。
その“気”を調整することで「自己治癒力」を高めていきます。
対処療法ではない根本治療をすることで、肩コリ・腰痛に限らず、各内科的疾患にも効果が出るのです。
また、それが鍼灸治療の良さでもあります。
Q3:治療に資格はいるの?
A:治療には国家資格が必要なものとないものが存在します。
~国家資格必要~ | ~資格必要なし~ |
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鍼灸師 あん摩マッサージ指圧師 柔道整復師(接骨院) |
カイロプラクター 整体師 足ツボ・エステなど |
上記国家資格が必要なものは、3年以上厚生労働省または文部科学省管轄の専門学校や大学に通い、厚生労働大臣認可の国家試験に合格しなければなりません。
大きな違いは、
・医療類似行為であること
・疾患により医者の同意書があれば保険適用となること。
・保健所の許可があるので、レシートが医療費控除に使用できること。
などです。資格がないと「サービス業」ということになります。
専門学校では、3年間解剖学や生理学、臨床医学など、人の身体を預かるための知識をみっちり勉強させられます。臨床実習、解剖実習ももちろんあります。
資格がなくても、素晴らしい先生は沢山いらっしゃいますが、全くそうでない方も沢山いらっしゃいます。私が以前勤めていた会社では、整体3ヶ月コースというのもありました。3ヶ月で人体の仕組みを学べるでしょうか? このあたりが、資格なしでもできる怖さです。
院に行く前に、しっかりとホームページやクチコミなどを調べてください。自分の大事な身体を預けるわけですから。
ちなみに、日本人は肩書きに弱いと言われますが、この業界も肩書きは治療の腕前や人間性とほとんど関係ありません。
●●会会長、▲認定指導員、国際■■指定院・・・など
特に整体院などでは、名前に威圧されないようお気をつけください。
Q4:保険はきかないの?
A:医師の同意書があれば適用となる疾患があります。
1番最初の「鍼灸適応症」の欄でも紹介しております。
・神経痛
・五十肩
・頚肩腕症候群(首や腕の痛み、しびれ)
・腰痛症
・リウマチ
・外傷性頸部捻挫後遺症(ムチウチ)
などの慢性疼痛疾患に対し、通院されている病院などで医師の同意書がもらえれば、健康保険が適用となります。
同意書は科の違う医師でも書いていただけます。
かかりつけ医がいる場合は、その先生にお願いするのがベストです。
療養費払いとなりますので、鍼灸院では全額お支払いいただき、後ほど区役所で書類を提出し、保険金額分を返還してもらう形式となります。
また、同意書発行後に、同じ疾患名で医師の診療を受けることはできません。
保険適用の治療は1回15分程度となります(鍼灸治療)。
同意書の書式は当院にも用意してございます。
尚、整骨院(接骨院)においての施術は保険適用となりますが、骨折・脱臼・打撲・捻挫、これらの疾患に限られます。
肩こりや腰痛でのマッサージには、本来は保険は適用されませんのでご注意ください。
保険者から確認の連絡がくることがあります。
Q5:交通事故や労災はどうなるの?
A:交通事故による通院はすぐにも可能。
労災保険適用の通院は現在不可です。
交通事故で病院などに通院し、治療効果が得られない場合は、鍼灸マッサージでの治療も可能です(ムチウチなど)。
通院する旨を相手の保険会社に報告し、了解を得てからご来院ください。
詳しくは、お気軽にご相談ください。